• ホーム
  • 木造建築と鉄骨建築を選ぶ基準って何?

木造建築と鉄骨建築を選ぶ基準って何?

2020年05月01日

一般的な一戸建て住宅のほとんどは、建物を支える柱に木材が使用されている木造住宅です。これに対して集合住宅やビルなどでは建物の重量を支える必要があるので、柱は木材ではなくて鉄骨が用いられます。鉄骨よりも木材のほうが低コストであるという理由で、一戸建て住宅の多くは木造建築が選択されます。木造建築と鉄骨建築はそれぞれでメリットとデメリットがあるので、注文住宅を考えている方はいずれかを選ぶ基準を知っておくと良いでしょう。

一般的に住宅に求められる条件として、耐震性・耐火性・防音性・気密性に優れていることが挙げられます。同じ量であれば木材よりも鉄のほうが強度が高いので、鉄骨建築は少ない柱で建物を支えることができます。単純に素材の性質だけを比較すると木材のほうが強度が低いように思われてしまいますが、建築物を作る際は必要な強度を出せるように柱の量を増減します。木材は鉄よりも弱いですが、柱の量を多くすることで鉄骨建築と同じ強度・安定性が得られます。ただし、鉄骨を選択すると建物を支える柱や壁を減らすことができます。

一般的に木造よりも鉄骨建築のほうが火災に強いと思われていますが、これは誤りです。住宅が火災を起こすと、1,200度前後まで加熱されます。住宅用の軽量鉄骨は700度程度で強度が保てなくなって変形するので、火災が発生した場合は鉄骨建築でも倒壊の危険性があります。木材も火災の際に炭化しますが、軟化して変形することはないので倒壊しにくいというメリットがあります。鉄骨建築でも住宅用の断熱材・防音材は木造住宅用の製品を用いるので、機密性・防音性・断熱性は同じです。

戸建て住宅に関しては、鉄骨建築と木造建築では基本的な機能面で大きな違いはありません。ただし、木造建築と比べて鉄骨建築にはいくつかのメリットがあります。木材は天然の材料なので品質のバラツキがあり、建築に要する期間が長くなります。鉄骨は工業製品なので品質が一定しており、工場で生産された骨組みを現場で組み立てるだけなので工期が短縮できます。また鉄骨は少ない柱で建物を支えることができるので、重量鉄骨を使用すると間取りの自由度が高くなります。

一部の高級住宅では軽量鉄骨ではなく鉄筋コンクリート造にするケースがありますが、この方法であればマンションと同じように高い気密性や強度が得られます。ただし鉄筋コンクリート造は多額のコストがかかるので、一戸建て住宅ではあまり普及していません。